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Fast and slow 12

  記憶に基づく評価は、ピーク時と終了時の苦痛の平均でほとんど決まる。

   人の心に、常に自動的に意識下で働く「システム1」と、自意識の主体のように動作する「システム2」があるという話は「Fast and Slow1」以下記事にしてきた通りですが、もう一つ、「経験する自己」と「記憶する自己」の二種類の自己があるといいます。
  人の行動の瞬間瞬間、まさに今現在「痛い」「苦しい」と感じている主体が「経験する自己」、あとで思い返したときに「あの時は苦しかった」と感じる自己が「記憶する自己」です。博士は、「remembering self」と言っているし、意味から考えると「思い返す自己」と言った方がいいかも知れません。
  人は次の行動を決めるときには、過去の経験を思い起こし「記憶する自己」の感じ方のみを参照します。だから「経験する自己」の感じ方と「記憶する自己」の感じ方が違うと、客観的にみて不合理な選択をし得る、というのが理論の骨子です。
  「記憶する自己」は、冒頭に書いた性質を持つ一方、持続時間は無視し、苦痛の経過は気にしないんですね。 一方、その瞬間の苦痛の当事者であるはずの「経験する自己」は時が過ぎてしまえばもう発言権はありません。後々「あの時は悲惨だった」という印象を和らげたければ、苦痛の時間を延ばしても、ゆっくりフェードアウトさせてやったほうがいいということになります。
  この二つの自己を軸に、博士はTEDカンファレンスにて講演を行っています。題して「経験と記憶の謎」


  本には明示的には書いてませんが、幸せや感動を自分の記憶に刻みつけるためには、最後の最後に感動的な場面を準備すればいいということも言えそうです。ほとんどの映画や小説がクライマックスを一番最後に持ってくるというのは、人間の性質を考えると正しい選択なんですね。野球で自分のひいきのチームが9回裏逆転サヨナラ満塁ホームランで勝てば、それはもう感涙ものです。打たれたほうにとってははたまらない悲劇ですけど。
  旅行などで、楽しい時間を長引かそうと、きりをつけずにずるずると時を過ごすと、後の楽しい記憶に水をさすということにもなりそうです。
  つまり、悲しみの記憶を和らげたければやんわりとフェードアウトさせること、うれしい記憶を倍加させたければ盛り上がったところで一気に終わること、ということですね。

  「Fast and Slow」の記事はこれで終わりです。この本を読むと、人間の「意識されない脳の働き」というのは複雑で軽く扱えないということが良くわかります。「自分はこういう人間だ」「あいつはああいう奴だよ」とわかったつもりになることも多いですが、そんな単純なものではないのですね。

 

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